シバズミデザインの制作事例を詳しくご紹介するコラム 「デザインストーリー」 。
第1回目は2018年発行の絵本「出光佐三のふるさと ~むなかたから世界へ~」についてご紹介いたします。
概要
クライアント
公益社団法人宗像青年会議所様
発行時期
2018年4月
制作期間
web絵本:約5か月/出版物:約3か月
仕様
A4横判/上製本/フルカラー36頁/2,000冊 (他2種あり・後述)
ストーリー
この絵本は、 宗像出身で出光興産の創業者として有名な出光佐三氏の生涯と、 故郷の宗像地域に対する数々の貢献を次の世代に伝えたいという目的で、 宗像青年会議所様が企画されたものです。
シバズミデザインでは当初より企画に携わり、 デザイン・編集・ライティング・造本設計等の全般を担当させて頂きました。
企画がスタートしたのは2017年。
宗像青年会議所の皆様と共に出光佐三氏の伝記や資料等を集めて読み込み、 作画を担当して頂く福岡教育大学日本画研究室の皆様と打ち合わせを重ねて制作を行い、 最初の段階であるweb絵本の公開に漕ぎ着けました。
デザイン・編集にあたっては、
◎ 絵本としてイラストを大きく見せること
◎ 子どもも大人も楽しめる、 読みやすい物語構成と資料面の充実の両立
◎ 絵本として製本した際の見栄え
……といった要素を考慮し、 A4横の判型で左頁全面にイラストを配置し、 右頁の中央縦にタイトル・左側に物語・右側に資料部分を分けて掲載するというレイアウトを提案し、 編集作業を行いました。
web絵本の制作期間中、 沖ノ島をはじめとする「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界遺産に登録され、 絵本の中にもそれらが描かれていたこともあり、 公開後は読者の皆様から大きな反響を頂き、 絵本を書籍として出版する企画が立ち上がりました。 シバズミデザインでは当初から書籍化を考慮して商業印刷可能な品質と規格で元データを作成しており、 書籍化の準備をスムーズに進めることができました。
自治体や地域の企業様から後援を頂く中で学校教材やふるさと納税にも絵本を活用したいというお声を頂き、 最終的には以下の3種の形態で絵本を制作することになりました。
1. A4横上製本:2,000冊 (一般販売用)
2. A4横並製本:1,000冊 (学校教材用)
3. A5横中綴じ:3,000冊 (ふるさと納税用)
印刷・製本にあたっては、 北九州市戸畑区の印刷会社 「よしみ工産株式会社」 様に委託し、 その確かな技術で全ての冊子を造本設計通りに美しく仕上げて頂きました。
完成した絵本は2018年4月より宗像地域各所や出光美術館(門司)、 Amazon等で販売が開始され、 テレビや新聞メディア等で取り上げられるほか、 絵本の原画展も開催されるなど、 各所で好評を博しております。
貴重なご縁を賜り、 心より感謝いたします。
ありがとうございます。